オーストラリアの『夢幻の砂時計』商標登録はゼルダの伝説35周年やリメイクとは関係ない、おそらく。

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ゼルダの伝説 夢幻の砂時計

先日、オーストラリアで『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』の商標が新たに承認されたと一部のゼルダの伝説ファンの間で話題になった。

 2021年はゼルダの伝説35周年の記念すべきアニバーサリーイヤーである。初代ゼルダの伝説の発売日2月21日が迫る中、商標登録の発見によって昨年のスーパーマリオブラザーズ35周年のように『夢幻の砂時計』の移植やリマスター、ゼルダコレクションのようなものが近いうちに発表されるのではないか?という憶測が生まれたわけだ。

 

しかし、今回の商標登録がゼルダの伝説35周年に直接関係するかというとそうではなさそうだ。上記のツイートの画像を見ると商標が出願されたのは2020年1月15日であることが確認できる。オーストラリアの商標を管轄する行政機関IPオーストラリアのウェブサイトで同じ日付に任天堂から行われた商標出願を検索すると37もの商標出願を見つけることが出来る。

search.ipaustralia.gov.au


以下にそのタイトルの一覧を記載する。

  • ALLEYWAY
  • ANIMAL CROSSING CITY FOLK
  • BALLOON KID
  • CARD HERO
  • CRUIS'N
  • DILLON'S ROLLING WESTERN THE LAST RANGER
  • ETERNAL DARKNESS
  • FACE RAIDERS
  • FREAKY FORMS
  • GOLDEN SUN DARK DAWN
  • JAM WITH THE BAND
  • KID ICARUS
  • KIRBY 64 THE CRYSTAL SHARDS
  • KIRBY AIR RIDE
  • KIRBY MASS ATTACK
  • KIRBY'S ADVENTURE
  • MAJORA'S MASK
  • MARIO SPORTS
  • MARIO VS. DONKEY KONG MINI-LAND MAYHEM!
  • MARIO VS. DONKEY KONG MINIS MARCH AGAIN!
  • NINTENDO PRESENTS STYLE BOUTIQUE
  • NINTENDOGS + CATS
  • OCARINA OF TIME
  • PHANTOM HOURGLASS
  • PULLBLOX
  • RADAR MISSION
  • SHADOWS OF ALMIA
  • SKYWARD SWORD
  • SPIRIT CAMERA
  • STEEL DIVER
  • SUPER MARIO SUNSHINE
  • SUPER MARIO WORLD
  • THE ADVENTURE OF LINK
  • THE WIND WAKER
  • URBAN CHAMPION
  • WARIOWARE SMOOTH MOVES
  • WAVE RACE

 ニンテンドッグススティールダイバーウェーブレースカービィ64等いずれもすべて過去に任天堂から発売されたタイトルである。ゼルダの伝説からは『夢幻の砂時計』だけでなく『リンクの冒険』や『時のオカリナ』『ムジュラの仮面』『風のタクト』に『スカイウォードソード』といったシリーズ作が並ぶ。実はこうした商標出願に関する憶測は以前に日本でもあった。任天堂が『カービィのエアライド』を商標出願したとして新作が発売されるのではないか?と話題になったのだ。

automaton-media.com

 

上記のAUTOMATONの記事にあるようにこの時も39もの旧作の商標出願の内のひとつに過ぎなかったわけだが問題はそのタイトルと日付である。何を隠そうこの時の商標も今回のオーストラリアで見つかった商標登録と同じ2020年1月15日に出願されているのである。またこの時の商標出願のリストは『引ク押ス』の北米タイトルである『Pushmo』と『いつの間に交換日記』の英語タイトル『Swapnote』の2つが含まれているかいないかを除き、今回のオーストラリアで見つかったものと全く同じラインナップとなっている。もちろんここに並んだゼルダの伝説作品が今年の35周年記念で移植やリメイクといった形で新たに発売される可能性はゼロではない。しかし、AUTOMATONの記事にもあるようにこうした旧作タイトルの商標出願は再リリースのためではなく訴訟対策といった知的財産管理の一環であり、今回それが国内外で同時に行われたと考えるのが妥当であろう。

 

今日のまとめ

・オーストラリアでの『夢幻の砂時計』の商標登録は37もの旧作タイトルの商標出願のうちのひとつに過ぎない。

・過去に日本でも同じような商標出願が話題になったことがあり、こうした商標出願は新作の発売等ではなく訴訟対策といった動きである可能性が考えられる。

 

 これを書いている時点で35周年まであとちょうど1週間なわけですがゼルダの伝説35周年に関して現時点で任天堂からはなんの発表もされていません。スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールドも発売になり、いよいよスーパーマリオブラザーズ35周年からゼルダの伝説35周年に任天堂の軸足が移っていくのはでないかという中で逸る気持ちになるのもいちゼルダの伝説ファンとしてよーくわかりますが、こういった憶測や噂、怪しげなリークではなく任天堂からの公式情報できちんと盛り上がったりしたいものです。(ゼルダの伝説35周年ダイレクトはやくきて来てくれ)

 

追記:2021年2月19日

Nintendo Direct 2021.2.18」にて『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』が発表されました。